◆五瓣の椿 [1964年 松竹(大船)]

五瓣の椿

[スタッフ]
原作 山本周五郎
脚色 井手雅人
監督 野村芳太郎
製作 城戸四郎
撮影 川又昂
照明 三浦礼
録音 栗田周十郎
音楽 芥川也寸志
美術 松山崇
 〃 梅田千代夫
[出演者]
おしの 岩下志麻
岸沢蝶太夫 田村高広
海野得石 伊藤雄之助
むさし屋喜兵衛 加藤嘉
おその 左幸子
菊太郎 入川保則
青木千之助 加藤剛
香屋清一 小沢昭一
佐吉 西村晃
丸梅源次郎 岡田英次
お孝 山岡久乃
 (カラー シネマスコープ 163分)
山本周五郎の同名小説を井手雅人が脚色し、川又昂が撮影、野村芳太郎が監督にあたった文芸大作。父の恨みを晴らすために、好色な母と関係した男達を誘惑し、一人ずつ殺害していく娘おしのの復讐を描く。その男たちは、三味線引き蝶太夫、婦人科医、札差屋の伜、芝居茶屋の出方、袋問屋の主人とさまざまだが、死体の傍らにはつねに一輪の椿が残されていた。この陰惨な物語を、岩下志麻は内に気丈さと気品を湛えた演技で好演し、代表作の一つとした。また、この作品の場合、松竹映画を支えてきた技術陣の力も見逃すことはできない。とくに、主人公の心理描写に赤、白、黒の色彩を効果的かつ象徴的に用いた独自の撮影は、川又昂カメラマンの力量を発揮したものであった。