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◆カルメン故郷に帰る [1951年 松竹] | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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日本映画最初のオールカラー長篇作品。日本映画監督協会は、富士フイルムの委嘱を受けて日本初の総天然色映画の製作を企画し、当時黒澤明監督とライバル視されていた才人・木下恵介に白羽の矢を立てた。物語は、東京で名を上げたストリッパーが、いっぱしの芸術家気取りで、故郷に錦を飾りに帰ってくるという田園喜劇で、親子の情感が、浅間高原の広々とした牧場を背景に、ペーソス豊かに描き出される。監督の実弟・木下忠司が担当した音楽は、叙情性とコミカルな両面を兼ね備え、この風俗喜劇を実のあるものにしている。高峰秀子が見事に演じた気のいいキャラクターは、充分な光量を得るために不可欠だった晴天下のオールロケ、色彩を活かした派手な衣装など、初のカラー映画に必要だったさまざまな要求を同時に叶えるための絶妙な設定だったが、本作を機に、高峰は木下映画の中心的な女性像を担っていくことになる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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