北越雪譜「鮭の洲走り(さけのすばしり)」
鮭は魚でありながら、足もないのに地面を走る不思議な習性をもっています。
これは、雪が降る前の河原で見られ「鮭の洲走り」といいます。
鮭は人に追われ、網にせめられると水から飛び跳ねて、河原をのぼり走り、網のあるところを越えて、
再び水に飛びこんで網から逃げることがあります。
その時は、大きな鮭が先頭に立ち水から出ると、小さい鮭たちが後に従います。
短い距離を矢のように走ります。先に進む大鮭が、物などにぶつかって転ぶと、
小さい鮭もみな横倒しになって倒れてしまい起き上がれません。
鮭は、人にとられるのを待つかのようです。
こんな機会出会うと、思いがけず二、三匹手に入れることがあります。魚の中でも珍しい魚です。
[ミニ企画展解説より]