富岡惣一郎「四季」
2021年7月10日(土)→ 11月16日(火)
◆開 館 時 間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
◆休 館 日:毎週水曜日(8月11日・18日、10月の水曜、11月3日は開館します)
◆観 覧 料:一般500円(400円)、 小・中・高校生250円(200円)
※( )内は団体20名様以上
現、上越市高田で生まれ育った富岡惣一郎(1922-1994)は、
「この雪の下に高田ありと言われるほどの豪雪地帯である。(私は)雪を描くために
生まれてきた男で、粘り強く、あきらめず、とことんやり抜く気質は高田から授かった
ものである」と語っています。
降雪量は年々減っていますが、当時の高田は家の中が暗くなるほどの積雪があり、
何度も繰り返される屋根の雪下ろしの姿は、富岡の幼心に「高田の雪は暗く重たかった」
という印象を与えました。
しかし、その一方で純白の世界-この世のものとは思えぬ純白の雪の状況-が、富岡の
脳裏に残っており、それが作品に繋がっています。
小学生時代の富岡は、夜道で、街灯のにぶい光に照らされ、お化けのように見える雪を
綺麗だと感じたり、雪にまみれた木々の枝を、なんと美しいものだろうと立ち止まっては
眺めている子どもでした。
一人で見入った雪の美しさは鮮烈な印象として富岡の感性の中に生き続け、やがて
雪の情景を描きたいと思うようになったのです。
本展は、初期から最晩年作品「星・BLACK」までの画家の軌跡と四季をテーマとした
2部構成になっています。後者では、目に見えぬ風を、花が舞い散る様子や
空高く揚がる凧などで表わした風シリーズを中心に、千変万化する水の表情を
光と影で捉えた作品、季節の移り変わりを詩的に表現した雪国シリーズを紹介します。
春夏秋冬がはっきりと刻まれる雪国の情景、その美しさを生涯に渡り表現し続けた
画家の軌跡をご覧ください。
「秋・枯葉吹雪もみじA」1992年制作/F60
「雪国・冬J」1990年制作/F30