令和4年度優秀映画鑑賞推進事業

近代日本の光と影

     
      開催日: 9月3日(土)~9月4日(日)イベントは終了いたしました。
会 場: 南魚沼市民会館多目的ホール
時 間: 10:00~(上映スケジュールによる)
座 席: 全席自由
料 金: 入場料 1,000円(2日間通し券)
※南魚沼スポーツパラダイス会員は会員証提示で5%引き!
※南魚沼市内の老人クラブ会員は10%引き!


※ 前売券はありません。当日券のみ市民会館にて販売します。
※入館時、マスクの着用をお願いします。
主 催: (公財)南魚沼市文化スポーツ振興公社、国立映画アーカイブ
共 催: 南魚沼市老人クラブ連合会、南魚沼市社会教育課【しゃくなげ学級】

特別協力:文化庁、(社)日本映画製作者連盟、全国興行生活衛生同業組合連合会、㈱松竹

上映スケジュール(1日目)
3日
(土)
10:00~12:10 純愛物語
13:00~15:49 東京オリンピック
上映スケジュール(2日目)
4日
(日)
10:00~12:10 にごりえ    
13:00~15:20 細雪

 

上映予定作品あらすじ

2.純愛物語

純愛物語

04
東京オリンピック

1.にごりえにごりえ

4細雪001細雪

 

『純愛物語』 監督:今井 正 1957年  東映(東京)

 

2.純愛物語

スタッフ

水木洋子
今井正
中尾駿一郎
元持秀雄
岩田広一       
大木正夫 
進藤誠吾
            

キャスト

江原真二郎
中原ひとみ
岡田英次
木村功
東野英治郎
長岡輝子
神田隆
北沢彪
中村是好
田中邦衛      
 

前作『米』(1957)の好成績を得て、製作会社の東映が再び今井正監督と組んで作り上げた戦後青春映画の代表作。
1954年3月に第五福竜丸がビキニ環礁で死の灰を浴び、この頃、日本では改めて原水爆問題がクロース・アップされていた。脚本の水木洋子によれば、この作品は同じ今井監督で「戦争と青春」を描いた『また逢う日まで』(1950)の姉妹篇として「戦後と青春」を描こうとするものであった。
焼け跡の中を懸命に生きる不良少年と少女の純愛物語に、原爆後遺症の問題が絡んでくるのも、このような社会的背景を抜きにしては考えられまい。中原ひとみの鼻から、流れ落ちる一筋の血が伝えるものは、たしかに原爆への怒りである。だが、それは今井監督の静かな演出によって、より深々とした印象を与えるものになっている。
常に周りの状況に押しつぶされそうになりながら、必死の抵抗を続ける恋人たちの姿は、この監督の作品に一貫する重要なモチーフである。
「キネマ旬報」ベストテン第2位。

                                   ▲あらすじTOP

『東京オリンピック』総監督:市川崑 1965年 東京オリンピック映画協会
04 スタッフ

市川崑
オリンピック東京大会組織委員会
和田夏十
白坂依志夫
谷川俊太郎

碧川道夫
黛敏郎
井上俊彦
細江英公
安岡章太郎
谷川俊太郎
林田重男
宮川一夫
中村謹司
田中正
三国一郎
                                     

1964年10月10日から24日まで開催された第18回オリンピック東京大会は、スポーツによる国際交流の場を通して、わが国が世界にその復興を示した国家的規模の一大行事であったと言えるだろう。
この作品はそのメモリアル・フィルムとして市川崑総監督以下、561人のスタッフが結集して製作され、翌年公開されるや空前の観客動員を記録し、12億を超える配給収入を上げた話題作である。
また、その際に「記録か芸術か」という問題を提起し、様々な議論を巻き起こしたことも忘れられない。それは、この作品がスポーツの勝敗よりも、スポーツをする「人間」により多くの描写を費やしたためとも言えるのだが、これはこれで作家市川崑としての一貫した姿勢でもあった。
結果は、カンヌ国際映画祭批評家協会賞受賞、「キネマ旬報」ベストテン第2位選出にも表れている。

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『にごりえ』 監督:今井正 1953年 文学座=新世紀映画社
1.にごりえ スタッフ

樋口一葉
水木洋子
井手俊郎
久保田万太郎
今井正
中尾駿一郎
田畑正一
安恵重遠
団伊玖磨
平川透徹      

キャスト

田村秋子
丹阿弥谷津子
三津田健
芥川比呂志
久我美子
中村伸郎
長岡輝子
荒木道子
仲谷昇
淡島千景
杉村春子
山村聡
宮口精二       

1937年に創設された文学座が、戦後その全盛期を迎えるにあたって発案・製作された作品。
夭折した明治の女流作家・樋口一葉の晩年の短篇小説「十三夜」「大つごもり」「にごりえ」を原作に三話構成のオムニバス形式を採り、当時新鮮な現代劇で注目されていた今井正監督が、京都映画撮影所(旧松竹下加茂撮影所)で完成させた。
役者の緊張を強いる簡潔なセットの中で徹底したリハーサルが繰り返され、微妙な計算により作り出された明治の光と闇の中に、過酷な状況を生きざるをえない女たちの一瞬が捉えられている。
この年、今井監督は大ヒット作『ひめゆりの塔』も演出しているが、「キネマ旬報」ベストテンでは『にごりえ』が第1位、『ひめゆりの塔』が第7位に選出されている。

                                  ▲あらすじTOP                                    

『細雪』 監督:市川崑 1983年  東宝映画協会
4細雪001 スタッフ

谷崎潤一郎
日高真也
谷崎松子
市川崑
田中友幸
長谷川清
佐藤幸次郎
大橋鉄矢
村木忍
大川新之助
渡辺俊幸        

キャスト

佐久間良子
吉永小百合
古手川祐子
岸恵子
伊丹十三
石坂浩二
岸部一徳
桂小米朝
江本孟紀
小坂一也
三宅邦子
細川俊之       

昭和の世を迎え、零落の一途を辿る大阪・船場の廻船問屋、蒔岡(まきおか)家の四姉妹を主人公にした谷崎潤一郎の代表作を、市川崑監督が東宝創立五十周年記念の大作として映画化。
市川監督としては、『鍵』(1959)に次ぐ二度目の谷崎作品で、監督デビュー当時より念願していた作品である。
「細雪」の映画化は、阿部豊(1950)、島耕二(1959)に続いて三度目。今回の映画化では、物語を一年間に凝縮させ、幾度となく破談となる三女・雪子の縁談を軸に、四季折々の美しい風景を交えながら、大店の家族の生活ぶりを絢爛と描いている。
見事な編集により主要な登場人物を紹介するオープニング、たわいのない日常のディテールをいきいきとした台詞回しと芝居で見せる巧みな演出、フェードアウトの暗転を活かした後半の物語展開など、至るところに市川監督の才智が煌いている。
四姉妹を演じた女優陣を初め、役者はいずれも代表作にふさわしい名演技を披露している。

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